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CRESTサイトビジット2026 in 早稲田大学 西早稲田

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2026年8月19日(水)、早稲田大学 西早稲田キャンパスにおいて、JST CREST研究領域「基礎理論とシステム基盤技術の融合によるSociety 5.0のための基盤ソフトウェアの創出」の研究総括・領域アドバイザーの先生方による、本研究課題「AI駆動型サイバーフィジカルシステムのセキュリティ評価・対策基盤」のサイトビジットが行われました。

研究代表者の森が研究課題の目的とアプローチ、成果のハイライトを説明し、各グループの進捗を報告しました。続いて、CRESTで導入した計算基盤(GPUサーバ)のクラスタルームを紹介し、森研究室で物理実験のデモと研究成果の動画展示を行いました。最後に今後の展望を説明し、研究総括・領域アドバイザーの先生方と議論を行いました。

開催概要
日時: 2026年8月19日(水)14:00–16:00
会場: 早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館

プログラム

  • 14:00–14:40 研究課題の概要、各グループの進捗ハイライト、質疑応答
  • 14:40–15:30 デモ・動画展示
    • クラスタルームの紹介(CRESTで導入したGPUサーバ)
    • 物理実験デモ「Occupancy Predictionへの攻撃とEnd-to-End評価」(鶴岡 豪)
    • 物理実験デモ「視覚オドメトリへの動的パッチ攻撃」(Zhihe Zhang)
    • 動画展示「Adversarial Road PatchのEnd-to-End評価」(斧田 洋人)
    • 動画展示「V2X-SAFE: V2X連携のEnd-to-Endセキュリティ評価基盤」(平井 航大)
    • 動画展示「DRIFT: ドローンのvSLAMへの攻撃」(海老根 佑雅)
    • 動画展示「信号機検出への攻撃」(末次 響)
    • 動画展示「VLAによる単腕ロボットの動作デモ」(屋代 優斗)
  • 15:30–16:00 今後の展望、議論

研究課題の概要
本課題は、AI駆動型サイバーフィジカルシステム(AI-CPS)に対する敵対的入力の脅威を未然に防ぐ「セキュリティ・バイ・デザイン」の実現を目的として、(1) 要素技術(センサ、機械学習モジュール、制御システム)に対する敵対的入力の評価・対策技術、(2) 複数の要素技術がつながったシステム全体(End-to-End)に対する評価・対策技術、(3) セキュリティ対策技術を実装した基盤ソフトウェアの構築、の3つの課題に取り組んでいます。研究は次の6グループで進めています。

  • End-to-Endシステムのセキュリティ基盤(森グループ、早稲田大学)
  • センサ統合システムのセキュリティ基盤技術(吉岡グループ、慶應義塾大学)
  • 物理計測システムのセキュリティ理論(菅原グループ、電気通信大学)
  • 機械学習モデルのセキュリティ理論(佐久間グループ、東京科学大学)
  • 自動運転車両の制御セキュリティ基盤技術(澤田グループ、大阪大学)
  • 自動運転計算機アーキテクチャのセキュリティ(穐山グループ、立命館大学、2026年4月〜)

報告した主な成果

  • 森グループ(早稲田大学): LiDARの点群前処理を悪用する人工霧による攻撃(ACM AsiaCCS 2025 最優秀論文賞)、HD地図の改ざん、アートを利用した交通標識への敵対的攻撃(ミラノ工科大学との共同研究)など、認識・地図・制御の各層に対する攻撃を明らかにしてきました。これらをシミュレータと実車の両方で自動運転システム全体(End-to-End)として評価する枠組みを構築しています。
  • 吉岡グループ(慶應義塾大学): 高周波パルス光によるジャミング攻撃を受けたLiDARの生波形データから攻撃成分を機械学習で除去し、点群を復元する手法を開発しました(NeurIPS 2026)。このほか、フルウェーブフォームLiDARの大規模データセットの構築(CVPR 2026)や、LiDAR SLAMに対する攻撃の解明(IROS 2026)に取り組みました。
  • 菅原グループ(電気通信大学): サーマルカメラ特有の信号処理の弱点を突き、熱源によって存在しない障害物や消えない残像を映し込ませる脆弱性を明らかにし、対策を提案しました(NDSS 2026)。また、繰り返しパターンを見せることでステレオカメラに偽の深度を挿入できる原因を解明し(ACM CCS 2026、吉岡グループ・フロリダ大学と共同)、その実演でUSENIX VehicleSec 2026 Best Demo Awardを受賞しました。
  • 佐久間グループ(東京科学大学): 深層強化学習の状態観測に介入して、エージェントに攻撃者の望む行動をとらせる標的型の行動操作攻撃に対し、方策を滑らかにする正則化による防御手法を提案しました(ICLR 2026)。また、森・菅原グループと共同で、心電図の自動診断に偽の不整脈を誤検出させる攻撃の実現可能性を示しました(ACM TCPS)。
  • 澤田グループ(大阪大学): 協調型アダプティブクルーズコントロール(CACC)で通信やセンサが攻撃されても影響を最小化するフィルタリング手法を検証しています。また、自律移動車両を隠密に誤誘導する攻撃者とそれを検知する防御者の関係をゼロサムゲームとして定式化し、検出精度と攻撃の隠密性のトレードオフをモバイルロボットの実験で検証しました。
  • 穐山グループ(立命館大学): 自動運転車を計算機システムとして捉え、RowHammerやBadRAMといったメモリへの攻撃が、IoT機器のファームウェアやTEE(Trusted Execution Environment)による保護をどこまで破り得るかを検証しています。